検査説明Q&A・1【新連載】
CA19-9の偽高値が疑われますが原因はどのようなものがありますか?
皆見 啓子
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1自治医科大学附属病院 臨床検査部
pp.80-81
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200184
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■CA19-9とは
CA(carbohydrate antigen)19-9は,ヒト結腸・直腸癌培養株をマウスに免疫し,得られたモノクローナル抗体が認識する糖鎖抗原である.Ⅰ型糖鎖を基本骨格とする血液型ルイスA糖鎖の末端にシアル酸が結合したものでシアリルLea抗原を認識する.このため,Lewis血液型Lea−b−の場合はたとえ癌があっても陰性となる.CA19-9は正常の成人や胎児の唾液腺・膵管・胆管・胆囊・胃粘膜・気管支・前立腺・結腸・直腸・子宮内膜などの上皮細胞表面に認められ,癌化に伴って産生が増加し血中に分泌される.膵癌,胆管癌,胆囊癌で80〜90%,胃癌,大腸癌で30〜50%の陽性率を示し,消化器系癌の腫瘍マーカーとして利用される.また,消化器系以外でも肺癌や卵巣癌,子宮体部癌でも陽性となるため,臓器特異性は低い.
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