特集 はじめよう,検査説明
病理・細胞診
11 腎生検の際,糸球体を蛍光染色,電顕および光顕用に的確に切り分けたいのですが,どうしたらよいですか?
中澤 久美子
1
1山梨大学医学部附属病院病理部
pp.1382-1383
発行日 2013年10月30日
Published Date 2013/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103675
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1.腎生検の実際
腎生検は,蛋白尿・血尿・腎機能低下など腎臓疾患の患者において,病気の予後推定や適切な治療方針を決定するために非常に重要で,不可欠な検査法の1つである.一般的に,腎生検には超音波ガイド下や透視下での経皮的腎生検と,手術室を利用した開放的腎生検とがあるが,多くの施設では前者の経皮的腎生検が行われている.
腎生検で採取される組織片は,16Gか18Gの太さで1~2cmの長さの組織片が2本か3本である.標本に含まれる糸球体や細動脈,小動脈の数が多いほど診断精度は向上する.その限られた組織片から最大限の情報を引き出すため,採取された生検材料から糸球体を光学顕微鏡用,蛍光抗体法用,電子顕微鏡用にそれぞれ分ける必要がある.
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