表紙の裏話
アルツハイマー病にかかわるプロテアーゼ活性調節機構の解明を目指して
田邉 千晶
1
,
前田 智司
1
,
駒野 宏人
1
1岩手医科大学薬学部神経科学講座
pp.110
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103348
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アルツハイマー病は,脳の老化に伴い発症する神経変性疾患であり,臨床症状として,記憶障害・認知機能の低下がみられる.病理学的変化としては,アミロイドβペプチド(amyloid βpeptide;Aβ)の凝集により形成される老人斑,異常リン酸化タウによる神経原線維変化,神経細胞死による大脳の萎縮を特徴とする.
Aβはアミロイド前駆体蛋白質(amyloid precursor protein;APP)から,プロテアーゼと呼ばれる“はさみ”で切り出されて産生される.筆者らは,Aβを産生するプロテアーゼである,γセクレターゼの活性調節機構を明らかにし,アルツハイマー病初期に起こるAβ産生を抑制することで治療につなげられるのではないかと考えている.
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