学会だより 第53回日本臨床細胞学会総会
細胞診断学のトランスレーションを目指して―いちスタッフとして参加して
戸田 敏久
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1東京慈恵会医科大学附属柏病院病理部
pp.1134
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103170
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第53回日本臨床細胞学会総会は,佐々木寛先生(東京慈恵会医科大学附属柏病院産婦人科)の主宰で2012年6月1日(金)~3日(日)の3日間,幕張メッセ国際会議場において開催されました.東日本大震災から1年が経過し,少し落ち着きを取り戻してきたもののまだまだ復興には程遠いなかで,幕張メッセで行う学会にどのくらいの方が参加してくださるのかと心配していましたが,6,030人の方々にご参加いただき,大盛況のうちに終えることができました.
医学の進歩の多くは,一見医学と関係ない新しい技術,知見が取り入れられていくことで飛躍的に発展していく可能性があると考えます.今学会のメインテーマは「細胞診断学のトランスレーションを目指して」ですが,これは形態学のみにとらわれずに幅広い知識を取り込み,新しい発想をもって取り組んでいくことを期待して選ばれました.高次元解析技術やバーチャルリアリティ技術を応用した手術中のナビゲーションシステム,ロボット手術などの最先端技術を取り入れた医療についての講演では,映画のワンシーンを見ているかのような世界が,もう現実に行われていることに驚きを感じました.また,東日本大震災については,その当時の支援活動や今後の対策,原発による放射線障害についてなど,当事者の方々にご講演いただけたことはとても有意義であり,それらを教訓として今後の医療活動にどれだけ活かしていけるかが重要であると強く感じました.
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