特集 小児日常診療でその薬を使うとき・使うべきでないとき
VIII 血液
75.鉄欠乏性貧血と鉄剤
三井 一賢
1
1熊本大学医学部附属病院 小児科
キーワード:
食事療法
,
鉄
,
貧血-鉄欠乏性
,
栄養指導
,
禁忌(治療)
,
小児薬用量
Keyword:
Diet Therapy
,
Anemia, Iron-Deficiency
,
Iron
pp.1664-1665
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00639.2017086347
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鉄欠乏性貧血は貧血の中で最も頻度が高い疾患である.小児科領域における鉄欠乏性貧血の最も大きな原因は,成長による鉄の需要増大に供給が見合わないことである.思春期女子では月経による鉄の喪失が加わることで増悪する.そのため乳児期後期と思春期女子に多い.¢怠感や頭痛,食欲不振,易疲労感など非特異的な症状が多いが,氷や土などを好んで食する異食症を呈することもある.乳幼児では精神運動発達に影響を及ぼす可能性が報告されている.食事内容を見直し,食事から十分な鉄を摂取するよう心がけることが重要であるが,完成された鉄欠乏性貧血になると食事だけでは治療は困難であり,鉄剤による治療が必要となる.
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