今月の表紙 代表的疾患のマクロ・ミクロ像 悪性腫瘍・6
肝癌のマクロ・ミクロ像
海野 みちる
1
,
小松 京子
2
,
坂本 穆彦
2
Michiru UMINO
1
,
Kyoko KOMATSU
2
,
Atsuhiko SAKAMOTO
2
1杏林大学医学部病理学講座
2杏林大学医学部付属病院病理部
pp.570-575
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102326
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肝癌はアジア・アフリカの高齢男性に多くみられ,わが国の肝癌死亡をみると,2007年の部位別死亡数は,肺癌・胃癌・大腸癌に次いで第4位である.また,肝癌の罹患には地域差があり,近畿地方以西に多い.肝癌の原因のひとつとして肝炎ウイルスの感染がある.感染により慢性肝炎,肝硬変になり,肝癌へと進行することが知られている.特にC型肝炎ウイルスの感染が引き起こす肝癌は全体の約70%といわれている.
肝臓癌は原発性肝癌と転移性肝癌に分類され,さらに原発性肝癌は肝細胞癌・肝内胆管癌(胆管細胞癌)・混合型肝癌などに分類される.肝癌の組織型の主なものを表に記した(表1).日本では原発性肝癌の90%以上が肝細胞癌で,残りの約5%が肝内胆管癌である.混合癌とは肝細胞癌と肝内胆管癌が混在する癌である.
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