今月の表紙 代表的疾患のマクロ・ミクロ像 悪性腫瘍・11
骨腫瘍のマクロ・ミクロ像
小松 京子
1
,
海野 みちる
2
,
坂本 穆彦
2
Kyoko KOMATSU
1
,
Michiru UMINO
2
,
Atsuhiko SAKAMOTO
2
1杏林大学医学部付属病院病理部
2杏林大学医学部付属病院病理部病理学講座
pp.1466-1469
発行日 2010年11月15日
Published Date 2010/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102483
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骨腫瘍は,“放射線診断学あるいは病理組織診断学的事実に基づいた骨組織に発生する腫瘍あるいは腫瘍類似性の状態”と定義される.腫瘍類似性の状態とは,臨床経過や病理組織学的に腫瘍と紛らわしい状態をいう.骨腫瘍の診断にはX線写真を含む臨床データは必須である.骨腫瘍は良性と悪性とに分けられ,悪性腫瘍は低悪性度と高悪性度とその中間群が含まれる.原発性悪性骨腫瘍中最も多数を占めるのは骨肉腫で約44%であり,多発性骨髄腫,軟骨肉腫,Ewing肉腫などが続く1).骨腫瘍は発生部位や患者の年齢は診断に有用であることが多い.『整形外科・病理 悪性骨腫瘍取扱い規約(2007年7月第3版)』は,WHOの分類に一部追加訂正したものとなっている.本稿では骨腫瘍のうち頻度が高い,骨軟骨腫・巨細胞腫・骨肉腫・軟骨肉腫・転生骨腫瘍を供覧する.
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