Coffee Break
仮性結核菌の菌体集めで教室員全員が発熱
佐々木 禎一
1
1元札幌医科大学附属病院検査部
pp.368
発行日 2010年4月15日
Published Date 2010/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102283
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私が昭和26年札幌医大微生物学教室に入り,当時の植竹久雄教授(後に京大ウイルス研に移籍)のもと,ほかの教室員達とSalmonella,仮性結核菌(当時の命名ではPasteurella pseudotuberculosis,以下「仮菌」と略),および赤痢菌のO抗原性多糖体の分析を行っていたが,その折に全員が遭遇した発熱症状の古い話を紹介しよう.
このような化学分析を目的とした研究には多量の菌体の培養が不可欠であり,当時は全員でガラス製シャーレに菌を植え,培養された菌体を白金耳で掻き集めるところから始まる.それに続く菌体からのO抗原性多糖体の分離~精製~構成糖の分析(当時はpaper chromatography法を利用)は主に私の担当であった.Salmonella,赤痢菌での実験はほぼ予定通り完了し,納得できる成績が次々と得られ,学会や日本細菌学会誌上に報告された.
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