特集 医療・福祉施設における感染制御と臨床検査
各論
3.感染制御に必要な微生物検査の知識とポイント
4) 尿検査
高橋 俊司
1
Shunji TAKAHASHI
1
1市立札幌病院検査部検体検査課
キーワード:
尿道カテーテル関連尿路感染
,
ブドウ糖非発酵性グラム陰性桿菌
,
定量培養
Keyword:
尿道カテーテル関連尿路感染
,
ブドウ糖非発酵性グラム陰性桿菌
,
定量培養
pp.1465-1468
発行日 2009年10月30日
Published Date 2009/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102145
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はじめに
尿路感染症は病院感染症のなかで最も多く,米国の報告では病院感染症の40%を占め,その66~86%が尿道に留置されたカテーテルが起因となった尿路感染症,いわゆる尿道カテーテル関連尿路感染(catheter-associated urinary tract infections;CAUTI)である1).
留置した尿道カテーテルは表面に細菌バイオフィルムが形成されて,抗菌薬に抵抗性を示すことが知られている.そのバイオフィルムは,尿路感染症治療の難治性因子となって持続性感染が成立し,耐性菌が定着することで病院感染の汚染源(リザーバー)になる.
病院感染において尿を材料とする微生物検査は,尿路感染症診療はもちろんCAUTIを考慮した感染制御の視点からも有用な情報を提供することが重要である.
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