今月の主題 原発性免疫不全症
総説
原発性免疫不全症の病理―病因・病態について
岡野 素彦
1
,
小林 邦彦
1
Motohiko OKANO
1
,
Kunihiko KOBAYASHI
1
1北海道大学医学部小児科
キーワード:
原発性免疫不全症
,
病因
,
病態
Keyword:
原発性免疫不全症
,
病因
,
病態
pp.388-398
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904041
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原発性免疫不全症は,生来免疫系に遺伝的欠陥を持つ疾患群である.その結果,主に感染症の重症化・遷延化・再発が高頻度に認められる.主な感染防御機構は細胞性免疫・抗体・補体・食細胞機能などに集約され,それぞれの欠陥あるいは重複した機能不全が特徴的な病態をもたらす.本稿ではまずそれら感染防御機構の仕組みを述べ,また,この機構を理解するうえで最近特に注目される各種サイトカインおよびシグナル伝達機構を概説する.次に,どのような欠陥が特異な原発性免疫不全症に関与するのかにつき,代表的な例について要約を述べた.
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