今月の主題 ウイルス感染症─最新の動向
各論
〈ウイルス感染症の新しい診断技術〉
核酸検出法を用いたウイルス感染症診断法の臨床応用(PCR法,LAMP法)
中山 哲夫
1
Tetsuo NAKAYAMA
1
1北里生命科学研究所ウイルス感染制御I
キーワード:
PCR
,
LAMP
,
遺伝子診断
Keyword:
PCR
,
LAMP
,
遺伝子診断
pp.37-43
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101859
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遺伝子検索はpolymerase chain reaction(PCR)の普及により身近なものとなってきた.しかしながら,thermal cyclerを用い2~3時間が必要で,迅速性に問題がある.60分間以内で結果の出るreal time PCR法も開発され遺伝子数の定量的検索も可能であるが,高価な機器が必要であり,ベッドサイドへの応用には至っていない.近年わが国で開発されたloop-mediated isothermal amplification(LAMP)法は独創的なprimerを設定し2本鎖をはがしながらDNA合成を進めるBst polymeraseを用いて60~65℃の一定温度で反応を進め,1時間以内で結果を得ることが可能である.LAMP法は特異性,感度も高く感染症の遺伝子レベルでの迅速診断の可能性を持つ発展性の高い検査法と考えられる.LAMP法の臨床応用を解説する.
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