特集 ホルモンの病態異常と臨床検査
各論Ⅱ 多臓器,組織におけるホルモン相互間作用
7.妊娠,授乳
山田 秀人
1
Hideto YAMADA
1
1北海道大学大学院医学研究科病態制御学専攻生殖・発達医学講座産科 生殖医学分野
キーワード:
甲状腺ホルモン
,
プロラクチン
,
視床下部
,
下垂体
Keyword:
甲状腺ホルモン
,
プロラクチン
,
視床下部
,
下垂体
pp.1351-1354
発行日 2008年10月30日
Published Date 2008/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101796
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妊娠による母体内分泌系の変化
1.視床下部-下垂体前葉-卵巣系
1) 下垂体ゴナドトロピン
黄体化ホルモン(luteinizing hormone;LH)の分泌量は,正常月経周期の卵胞期に比べて妊娠2~3か月までは60~80%に,妊娠5か月以降分娩までは50%以下に抑制される.卵胞刺激ホルモン(follicle-stimulating hormone;FSH)の分泌も非妊娠時に比べて50%以下に抑制される.このように,下垂体ゴナドトロピンの分泌は,エストロゲンを主体とする性ステロイドホルモンならびにヒト絨毛性ゴナドトロピン(human chorionic gonadotropin;hCG)などの胎児-胎盤系ホルモンによって,妊娠中は抑制され,分娩後,胎児-胎盤系ホルモンの減少とともに約1か月で回復する.
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