特集 ホルモンの病態異常と臨床検査
各論Ⅰ ホルモンの病態異常と検査
9.血管制御因子
7) アドレノメデュリン
北村 和雄
1
Kazuo KITAMURA
1
1宮崎大学医学部内科学講座循環体液制御学分野
キーワード:
アドレノメデュリン
,
PAMP
,
免疫放射定量測定法
Keyword:
アドレノメデュリン
,
PAMP
,
免疫放射定量測定法
pp.1313-1317
発行日 2008年10月30日
Published Date 2008/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101782
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構造
アドレノメデュリン(adrenomedullin;AM)はヒト褐色細胞腫組織から発見された強力な血管拡張性ペプチドであり,分子内に6個のアミノ酸よりなるリング構造とC末端のアミド構造を有している(図1)1,2).ヒトAMは52個のアミノ酸からなり,CGRP(calcitonin gene-related peptide)やアミリンと一部相同性を有し,一つのファミリーを構成している.最近,Takeiら3)は遺伝子側からの検索により,AMに続くアドレノメデュリン2(AM2)やアドレノメデュリン5(AM5)の存在を明らかにした.
一方,ヒトAMの前駆体の構造は図1に示すように21個のシグナルペプチドを含む185個のアミノ酸よりなりなる4).AM配列の両サイドは典型的なプロセッシングシグナル(LysArgもしくはArgArg)で囲まれており,C末端のTyrに続くGlyはC末端アミド構造の供与体になると考えられる.さらに,AMの前駆体からは,C末端にArgアミド構造を有した新しい生理活性ペプチドがAMとは別に生合成されることが明らかとなっており,このペプチドはPAMP(proadrenomedullin N-terminal 20 peptide)と命名された(図1).
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