増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
内分泌学的検査
下垂体
ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)
庄司 優
1
,
須田 俊宏
2
1弘前大学医学部臨床検査医学
2弘前大学医学部第3内科
pp.460-461
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906422
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
ACTHはアミノ酸39個からなるポリペプチドホルモンで,下垂体前葉から分泌される.分泌されたACTHは,副腎皮質からのコルチゾールの分泌を促進する.ACTHの分泌調節は,視床下部で産生されるCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)により刺激され,コルチゾールにより抑制される.血漿ACTH濃度は下垂体前葉からの分泌を反映し,日内変動が認められ,起床時に高く就寝時に低い(乳幼児期には日内変動不明確).脈動的間歇的分泌もあり,また,ストレスや食事などの影響を受けやすい.
ACTHが高値を示すときには,視床下部または異所性のCRH産生増加,下垂体または異所性のACTH産生増加,または,副腎皮質からのコルチゾールの分泌低下などが考えられる.ACTHが低値を示すときには,視床下部におけるCRH産生障害,下垂体におけるACTH産生障害,副腎皮質からのコルチゾールの分泌充進や合成糖質コルチコイド剤の大量長期投与などが考えられる.
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