Japanese
English
原著
新しい天疱瘡の血清学的診断法—組換えデスモグレイン蛋白を抗原とするELISA法
A new serodiagnostic tool for pemphigus:ELISA using recombinant desmoglein as an antigen
布袋 祐子
1
,
天谷 雅行
1
,
西川 武二
1
,
木下 慶子
2
,
大矢 和彦
2
Yuko FUTEI
1
,
Masayuki AMAGAI
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
,
Keiko KINOSHITA
2
,
Kazuhiko OYA
2
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2医学生物学研究所
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
2Medical and Biological Laboratories
キーワード:
天疱瘡
,
デスモグレイン
,
ELISA
Keyword:
天疱瘡
,
デスモグレイン
,
ELISA
pp.1081-1086
発行日 1999年12月1日
Published Date 1999/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903068
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
古典的天疱瘡における自己抗体の反応はデスモグレイン(Dsg)3およびDsg1の立体構造が重要である.最近我々は天疱瘡の血清学的診断法として組換え蛋白を用いたELISAを開発した.1997年1月から1998年12月の過去2年間に他施設から依頼のあったELISAの結果につきまとめ,同ELISAの有用性を検討した.依頼検体は総数344例(症例数244例)で,その中には日本を含め11か国からの依頼があった.244症例のうちELISAにて陽性反応を示した例は194〔尋常性天疱瘡(PV)109例,落葉状天疱瘡(PF)84例,PFからPVへの移行1例〕であった.多くの症例でELISAが最終診断に役立ち,ELISAは有用な検査法であることが確認された.最近では古典的天疱瘡のみならず,疱疹状天疱瘡あるいは腫瘍随伴性天疱瘡においてもDsg3およびDsg1が標的抗原であることも明らかにされている.今後日常診療において従来の蛍光抗体法と併用することでELISAは天疱瘡の診断をより確実にする上で有用な診断法と考えられた.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.