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増刊号特集 最近のトピックス2021 Clinical Dermatology 2021
2.皮膚疾患の病態
天疱瘡自己抗体はデスモグレインとデスモコリンのヘテロフィリック結合を直接阻害する
Pemphigus autoantibodies directly block heterophilic transinteraction between desmoglein and desmocollin
石井 健
1
Ken ISHII
1
1東邦大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Toho University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
天疱瘡
,
デスモグレイン
,
デスモコリン
,
細胞間接着
Keyword:
天疱瘡
,
デスモグレイン
,
デスモコリン
,
細胞間接着
pp.56-60
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206333
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天疱瘡はデスモゾームに局在するカドヘリン型細胞接着因子のデスモグレイン(Dsg)1および3に対するIgG型の自己抗体によって生じる自己免疫性水疱性疾患である.水疱形成機序は未解決で,抗体が細胞内シグナルを介さずに自己抗体がDsg分子の接着面に結合することによる直接阻害により水疱形成に至るという説,もう1つは,細胞内シグナルの活性化を介し間接的に水疱形成を誘導されるとの説が提唱されている.今回,組換えDsg,デスモコリン(Dsc)を固相化したビーズ凝集法を開発し,デスモゾーム接着においてDsgとDsc間のヘテロフィリックな結合が,Dsg同士,Dsc同士よりも強固な接着活性を持つことを確認した.また,天疱瘡自己抗体は,DsgとDsc間の接着を細胞内シグナルを介さず直接阻害することを示した.臨床応用として,ビーズ凝集法は病的活性を持つ自己抗体を検出することができるため患者の病勢を評価する検査になりうる可能性がある.
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