特集 プロテオミクスに向かう臨床蛋白質検査
1章 プロテオミクスの基礎
2. 蛋白質のプロファイリングと同定
川村 猛
1
,
西村 俊秀
1
Takeshi KAWAMURA
1
,
Toshihide NISHIMURA
1
1東京医科大学臨床プロテオームセンター
pp.1215-1224
発行日 2003年10月30日
Published Date 2003/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101006
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はじめに
プロテオミクスはゲノムに暗号化された“細胞内分子機械”(molecular cellular machinery)である蛋白質群の動態を翻訳後修飾も含め解析し,分子機械の構成要素とそれらの組み合わせおよび機能を分子レベルで解明する科学である1~3).プロテオミクスでの蛋白質の発現プロファイリングには古典的な二次元電気泳動法における蛋白染色とデンシトメトリーを用いた方法や,質量分析計でのイオン強度による定量法などがあり,蛋白質の同定には質量分析計を用い,蛋白質の部分ペプチド配列の質量を利用したペプチドマスフィンガープリンティング法やタンデム質量分析計(MS/MS)による蛋白質のアミノ酸配列を利用したペプチドマスシークエンス法が用いられる(図1).
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