今月の主題 新しい自己抗体
巻頭言
新しい自己抗体
竹内 健
1,2
,
橋本 博史
1
Ken TAKEUCHI
1,2
,
Hiroshi HASHIMOTO
1
1順天堂大学医学部膠原病内科
2竹内内科
pp.251-252
発行日 2004年3月15日
Published Date 2004/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100855
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自己抗体の測定は,自己免疫疾患の補助診断や病型分類のための有用な方法として,さらに疾患活動性および治療効果の指標として広く臨床の場で用いられている.近年では,特異性の異なる新たな自己抗体が次々と報告されており,これらの自己抗体の有する臨床的意義も明らかにされつつある1).
自己抗体は,対応抗原の体内での局在部位により,臓器特異的自己抗体と臓器非特異的自己抗体に大きく分類される.前者の対応抗原は特定の臓器にのみ存在し,これらの自己抗体との結合により生じた標的臓器の障害が,病態形成に重要な役割を有すると考えられている.臓器特異的自己抗体の対応抗原は数多く同定されており,これらの病原性自己抗体が橋本病,特発性血小板減少性紫斑病,自己免疫性溶血性貧血,重症筋無力症など多くの臓器特異的自己免疫疾患で,対応抗原の生理学的活性を阻害することが証明されている.
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