今月の表紙 腫瘍の細胞診・4
悪性リンパ腫の細胞診
住石 歩
1
,
海野 みちる
1
,
坂本 穆彦
1
Ayumi SUMIISHI
1
,
Michiru UMINO
1
,
Atsuhiko SAKAMOTO
1
1杏林大学医学部病理学教室
pp.350-353
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100834
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血液リンパ系腫瘍は,1832年にHodgkinの記載した脾臓とリンパ節に発生する悪性腫瘍「ホジキン病」の報告に始まる.その後,細胞組織形態から,Rappaport分類・Rye分類・Kiel分類などが生まれた.国際的共通分類として,1982年にはWorking Formulation(WF)が発表された.日本ではAdult T-cell lymphoma(ATLL)を含むLymphoma Study Group:LSG分類が提唱された.2001年にはRevised European-American Classification(REAL分類)をさらに発展させ,血液リンパ系腫瘍を多方面から包括した新WHO分類が完成した.これには形態学的検索に加え,染色体や遺伝子情報,フローサイトメトリーやモノクローナル抗体による免疫表現型などが盛り込まれている.WHO分類は悪性リンパ腫を細胞起源からB細胞腫瘍・T/NK細胞腫瘍・Hodgkinリンパ腫に大別しているのが特徴である1~3).
悪性腫瘍におけるEB virusの関与は,バーキットリンパ腫が有名であるが,癌患者のリンパ節にも陽性像が認められている(図1).
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