特集 ナノテクノロジーとバイオセンサ
各論
Ⅰ. ナノ粒子関連
5. 医用磁性ナノビーズ
中川 貴
1
,
阿部 正紀
1
Takashi NAKAGAWA
1
,
Masanori ABE
1
1東京工業大学大学院理工学研究科
キーワード:
フェライト粒子
,
磁気分離
,
MRI造影剤
,
ハイパーサーミア
,
DDS
Keyword:
フェライト粒子
,
磁気分離
,
MRI造影剤
,
ハイパーサーミア
,
DDS
pp.1385-1396
発行日 2006年11月30日
Published Date 2006/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100775
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はじめに
近年のナノテクノロジーの発展により,ナノサイズの粒子の合成や分析,機能化技術が飛躍的に進歩し,かつてコンセプトとして提唱されていた医療・診断法が現実のものとなりつつある.特に,磁性ナノビーズは,①外部磁場による分離・輸送が可能である,②感度の高い磁気検出技術がある,③交流磁界中で発熱する,などの特長を有していることから,磁気分離,薬剤輸送担体,磁気ラベリング,MRI造影剤,磁気温熱療法(ハイパーサーミア)などの医療・診断技術への応用が精力的に研究されている1~4).磁性ナノビーズは,磁性流体(ferro fluids),磁性担体(magnetic carriers),磁気微粒子(magnetic fine particles)などとも呼ばれている.本稿では,主に日本国内で現在開発が進んでいる磁性ナノビーズの製造法,その医療・診断分野への応用を中心に概説する.なお,国外における磁性ナノビーズの医療応用に関しては,最近いくつかのレビュー5~8)が出版されているので,そちらを参照されたい.
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