特集 動脈硬化-その成り立ちと臨床検査
3章 より繊細な診療を求めて―これからの冠疾患危険因子
3. コレステロール逆転送系関連因子
中田 佳延
1
,
脇川 友宏
1
,
池脇 克則
1
Yoshinobu NAKADA
1
,
Tomohiro WAKIKAWA
1
,
Katsunori IKEWAKI
1
1東京慈恵会医科大学循環器内科
キーワード:
コレステロール逆転送系
,
抗動脈硬化作用
,
CETP阻害薬
Keyword:
コレステロール逆転送系
,
抗動脈硬化作用
,
CETP阻害薬
pp.1271-1276
発行日 2004年10月30日
Published Date 2004/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100592
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はじめに
高比重リポ蛋白(HDL)は動脈硬化の負の危険因子であり,HDLコレステロール濃度が1mg/dl増加すると,冠動脈疾患リスクが2~3%減少するといわれている.HDLは抗酸化作用,およびコレステロール逆転送系(reverse cholesterol transport;RCT)への関与により抗動脈硬化作用を有しており,この機能を果たすために様々な因子が関与している.RCTにおいて,関与している因子の量的および質的異常によりHDLの濃度が変化し,同時にRCT自体の機能も変化する.ここでは,RCTおよび,RCTに関与する代謝調節因子であるコレステロールエステル転送蛋白(CETP),肝性トリグリセライドリパーゼ(HTGL),スカベンジャー受容体クラスBタイプI(SR-BI),そしてレシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)について最近の知見を含め解説する.
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