今月の主題 脂質
脂質代謝異常と疾病
低HDLコレステロールと疾病
河村 彰
1
,
朔 啓二郎
1
Akira KAWAMURA
1
,
Keijirou SAKU
1
1福岡大学医学部内科学第二
キーワード:
低HDL-C血症
,
コレステロール逆転送系
,
大規模臨床試験
Keyword:
低HDL-C血症
,
コレステロール逆転送系
,
大規模臨床試験
pp.507-513
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101200
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低HDLコレステロール(HDL-C)血症が動脈硬化の危険因子として認識されるようになって久しいが,HDLの代謝経路の解明が進んできたのは比較的最近のことである.高LDL-C血症に対する心臓病一次予防,二次予防の大規模臨床研究が多数行われてきたのに対し,低HDL-C血症に対する予後や治療効果をみた臨床研究は少ない.また,低HDL-C血症だけを認める場合に治療の対象になるか,HDL-Cは増加すべきか否かなどは,いまだ議論が多い.本稿では,HDLによる動脈硬化防御の分子機構,低HDL-C血症の成因およびその治療法,治療効果について概説する.〔臨床検査 51:507-513,2007〕
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