今月の主題 私と臨床検査―先達の軌跡
私と臨床検査
医学・医療の要としての臨床検査
糸賀 敬
1,2
Takashi ITOGA
1,2
1大分医科大学
2元長崎大学検査部
キーワード:
温故知新
,
専門職と中央化
,
血液形態学
Keyword:
温故知新
,
専門職と中央化
,
血液形態学
pp.231-233
発行日 2005年3月15日
Published Date 2005/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100365
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筆者は,旧制長崎医科大学を1952(昭和27)年に卒業した.当時自分が受け持った入院患者の臨床検査は,検尿,検便などの一般臨床検査はもとより,赤・白血球数算定,ヘモグロビン濃度の測定を含む末梢血液一般検査,骨髄穿刺検査,血糖値測定,残余窒素測定(その当時尿素窒素の測定法は確立されていなかった),基礎代謝率の測定,心電図検査などのすべてを,ほとんど自分自身で実施することが普通であった.
当時の医学部は,戦前に建てられ原爆によって壊滅的な被害を受けた後に,一部修復された4階建ての建物に内科学講座があった.その半地下室の研究室の片隅に,臨床検査室が設けられ諸検査を実施していた.その時期には,検査データーを教授回診日の前日までに揃えておかねばならなかった.ただし,以前から梅毒血清反応検査は皮膚科学講座に,病理組織学的検査は病理学講座に依頼するのが慣例であった.
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