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筋強直性ジストロフィーの分子生物学的発症機構
笹川 昇
1
,
石浦 章一
1
1東京大学大学院総合文化研究科生命環境科学系
キーワード:
筋強直性ジストロフィー
,
トリプレット・リピート病
,
RNA gain of function
Keyword:
筋強直性ジストロフィー
,
トリプレット・リピート病
,
RNA gain of function
pp.1162-1165
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100277
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1.はじめに
1992年に筋強直性ジストロフィー(Myotonic Dystrophy;DM)の責任遺伝子が同定されたとの発表は,世界に多くの衝撃をもたらした.DMは脆弱X症候群やハンチントン病などとともに,世界で初めて発見されたトリプレット・リピート病のひとつであり,患者ではCTGトリプレット・リピートの伸長が見られる.DMは優性の形式で発症する遺伝病だが,その遺伝子変異が通常では考えられない非翻訳領域に存在していたのである.DM研究は初期の混迷した時期を経て2000年あたりから急速な進展を見せ,最近ようやく発症機構解明の手がかりが得られようとしている.本稿では最近のDM研究の成果を分子生物学的な立場から解説する.
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