コーヒーブレイク
中越震災のあとさき
屋形 稔
1
1新潟大学
pp.374
発行日 2005年4月15日
Published Date 2005/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100139
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昨年7月の本誌に,40年前の新潟大地震を想起して「天災と人間」という題で執筆した.それから3か月もたたない10月下旬,上下に突き上げられるような衝撃に見舞われ,すわ再来と机の下にもぐりこんだ.本棚から数冊こぼれ落ちたり執拗な余震が続き不安を抱かされたりしたが大事はなかった.そのうち震源がやや南の中越地区であることが判明し,時を経るごとに惨状が報道されるようになった.
被災地の病院や医療班の活躍をテレビで見ていると,かつて一緒に働いた後輩や教え子の顔が出てきて必死に救援に当たっていた.母と姉を同じ車中で失い,4日後に奇蹟的に救出された2歳の子(優太君)が運ばれ,治療をコメントした院長も研究室の後輩であった.それにしてもしっかりした子で,何となく神の手が感じられた.
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