今月の表紙 細胞診:感染と細胞所見・3
カンジダ
中山 和子
1
,
海野 みちる
2
,
坂本 穆彦
2
Kazuko NAKAYAMA
1
,
Michiru UMINO
2
,
Atsuhiko SAKAMOTO
2
1日野市立病院臨床検査科
2杏林大学医学部病理学教室
pp.246-248
発行日 2006年3月15日
Published Date 2006/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100064
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カンジダ(Candida)はヒトの口腔・消化管・女性生殖器・皮膚に常在する酵母様真菌の一種で,種々の表在性あるいは深在性真菌症の原因となる.カンジダ症の原因菌としてはカンジダ アルビカンス(Candida albicans)が最も多く,カンジダ グラブラータ(Candida glabrata)も近年増加傾向にある.特に消化管・肺臓・腎臓・心臓・肝臓などの深部臓器に生じる深在性カンジダ症は,血液疾患・AIDS(後天性免疫不全症候群)・抗癌剤投与や化学療法の治療経過中など,免疫力の低下した患者にみられることが多く,しばしば死因につながる重篤なカンジダ症を引き起こす1).また,これらの確定診断には細菌培養だけではなく,組織学的な病変の特徴や菌体の形態などが診断の決め手となるため,病理組織学的な裏付けが必要である.
本稿では,日常の細胞診で遭遇することの多い子宮腟頸部を中心に,喀痰・尿に出現するカンジダについて述べる.
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