医療技術革新の展望とこれからの医療政策—ヒト遺伝子研究の意味するもの
遺伝子技術と生命倫理問題
広井 良典
1
1社会保険大学校
pp.891-895
発行日 1995年9月1日
Published Date 1995/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903837
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
政策としての生命倫理(承前)
④分子生物学の医療への「進出」—研究規制と臨床のクロス
「日本におけるDNA研究は,医学研究からではなく,大学の分子生物学者のグループから始まった.このことは.一般には不思議とは思われないかもしれない.しかし,現在の日本のDNA研究に関する問題の多くは,ここから生まれている.」
これまで60年代のアメリカにおける新薬臨床試験や人を対象とする臨床研究をめぐる制度改革,これを契機とした70年代以降の主として生命倫理的な観点からの「国家委員会」等の政策対応,さらに医療テクノロジー・アセスメントの展開と,それまで「ブラックボックス」の中に置かれていた医療の中身ないし質についての公共的なチェックが拡大してきた流れを見てきた.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.