特集 院内機能の分散化の動き
最近の病院建築に見る分散化の動き—「中央化」から「分散化」へ,そして「集約化」へ
久保田 秀男
1
1株式会社日建設計・医療福祉業務統括担当
pp.865-869
発行日 2002年11月1日
Published Date 2002/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903637
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病棟と外来にあった手術室は中央手術室に,そして中央材料滅菌室,中央放射線部,中央処置室,中央カルテ室,中央倉庫,中央厨房と,病院が拡張し続けた時代の病院建築の歴史は「中央化」への歴史であり,中央化が近代的病院のシンボルであるかのようであった.しかしそれらは,医療の高度化や職種の専門化に向けての一つの流れであるものの,増え続ける患者と慢性的なスタッフ不足に対して,患者を効率的に「さばく」ためのスタッフ側の論理によるものであった.そして病院建築では今,情報化の手を借りて,患者主体の医療サービスを目指した「分散化」が見直されている.そしてそれは,新しい病院づくりに向けての新たな「集約化(センター化)」への道程でもある.
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