特別座談会
高齢者の医療提供体制はどうあるべきか・2
天本 宏
1
,
折茂 肇
2
,
野中 博
3
,
浜村 明徳
4
,
武田 俊彦
5
1医療法人財団天翁会
2東京都老人医療センター
3博腎会野中医院
4小倉リハビリテーション病院
5前・厚生労働省医政局総務課
pp.818-823
発行日 2002年10月1日
Published Date 2002/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903627
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(9号より続く)
地域につなげる退院を行うには
野中 自宅で生活することが最終目標であるとすれば,通所リハにはどうも訓練を感じさせる部分がまだまだあります.また,私たち受け皿の医療者としても,高齢者医療は生活を支援することが大切との認識に至りました.病院を退院された患者さんをどう診るかについて考えると,退院するに当たってケアに関する情報が十分ではないことに気づきます.そこで私たちは,区と福祉関係者,そして台東区の下谷・浅草の両医師会で,「退院時の情報提供書」(図)を作り,本年4月1日から開始しています.これは5月15日の「朝日新聞」の地方版に「退院後介護に情報書」と題して取り上げられました.
今までは,ほとんど病院の医師が退院を決めていました.多くの患者さんはチーム医療として完成して退院してはいませんでした.そこで私たちは退院を大切にしようという思いから,受け皿の医療者としてケアやリハの情報も必要と考え,患者さんの主治医の意見を含んだ医療情報とともに看護サマリーを書き込める医療情報書を作りました.
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