特別寄稿
減損会計思考と病院の設備投資
橋口 徹
1
1国際医療福祉大学医療福祉学部
pp.813-817
発行日 2002年10月1日
Published Date 2002/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903626
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平成14年度社会保険診療報酬改定では,第4次医療法改正(平成13年3月施行)による施設基準の適正化を踏まえた厳しい見直しがなされる一方で,かつて国民皆保険の実施に伴い整備された病院が老朽化による建て替えの時期を迎えるなど,現在,多くの病院事業が施設整備の必要に迫られており,これらの設備投資の負担によって,病院の財務体質が今後さらに悪化していくことが予見される.
元来,設備投資とは,事業の収益性向上を見込んで実施されるものであるが,当該投資により保有される病院施設などの有形固定資産の収益性が投資意思決定時の将来見込みに比べて著しく低下した場合,財務諸表上その使用価値を病院施設などの固定資産評価額にいかに反映させるかが,病院の倒産やM & A (合併・買収)などが話題にのぼる昨今,会計情報の外部利用者が病院事業の財務状況を適正に判断するうえで重要となろう.
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