病院管理フォーラム 栄養管理・2
年次病状評価および合併症検査—年次評価検査における栄養教育
渡辺 栄吉
1
,
鈴木 正司
2
1新潟市社会事業協会信楽園病院栄養部
2新潟市社会事業協会信楽園病院透析室
pp.662-663
発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903591
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わが国における慢性透析療法の歴史は35年を超え,この間ダイアライザーや透析装置は改良を重ね,新しい材料や新薬も加わって透析療法は種々の面で進歩し,初期の多くの合併症が克服されて生存率の著しい向上をもたらした.その結果,透析患者の透析導入後の平均余命は,同年齢の健常者の平均余命の50%に達し,また,患者のQOLも格段に向上し,透析歴25年を超える症例は既にまれではなく,日本透析医学会の資料によれば,2000年末に全国で3,076人とわが国の透析患者数の1.5%存在する.その数は毎年急速に増加している.信楽園病院でも,25年を超える患者は398人中42人の10.5%存在し,わが国の患者平均数に比べ高い生存率を示す.
しかし,このような長期透析の患者や高齢患者も増加し,これに伴い,慢性腎不全や透析療法に伴う特有の合併症(二次性副甲状腺機能亢進症や後天性腎嚢胞に伴う胃癌など)と偶発する病気(胃潰瘍や胃病など)や栄養障害の患者が多く認められるようになった.
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