ナーシングホーム アメリカ合衆国の医療と看護の実態・11
世界一高い医療費の秘密
岡本 祐三
1
1阪南中央病院内科
pp.1195-1199
発行日 1980年11月1日
Published Date 1980/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919093
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日本の病院の5-6倍の職員数
クリーブランド市内には,前回ご紹介したクリーブランド・クリニックと比べると,より大衆的なというか,1段ランキングの下がる病院としてセント・ビンセント慈善病院(St. Vincent Charity Hospital)があります。名前の示すとおり,そもそもは市内の貧困階層の施療のためにセント・ビンセント教会が慈善事業として設立したものですが,その後,中流階層にも利用者が拡大され,建て物も拡張されて,近代的中堅病院として今日に至っています.
近代医療の形成期のアメリカでは,このような病院の建設資金は,すべて寄付金で賄われました.今日では,公的資金が多量に投入されるようになりましたが,それでも寄付を募ることが多いとみえて,病院の新館から旧館への渡り廊下には寄付をしてくれた人々や,企業・財団の名札がずらりと張ってありました.これは日本の病院では見られぬ風景のひとつです.
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