特集 社会保障改革と病院
高齢者医療制度改革と病院医療—医療改革の本質への回帰
青柳 俊
1
1日本医師会
pp.943-946
発行日 2001年11月1日
Published Date 2001/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903407
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
昨年(2000年)医療構造改革論議が本格化する中で,日本医師会をはじめ,経済団体連合会,健康保険組合連合会,日本労働組合総連合会などの関係者間では,「改革の根幹を成すのは老人保健制度の抜本改革,すなわち新たな高齢者医療制度の創設にある」という共通の認識があったといってよい.日本医師会の改革案が先鞭をつけ,各団体の提案がこれに続いた.もちろん,それぞれが主張する高齢者医療制度の内容には,理念,具体的構造において相違はあったが,小異を捨てて大同につこうという意識を各関係者が強く持っていた.
しかし,昨年10月「社会保障構造の在り方について考える有識者会議」が報告書「21世紀に向けての社会保障」を発表したあたりから,改革のベクトルの方向に変化が生じ始めた.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.