特集 クスリと公衆衛生
医療制度改革と薬局
西田 在賢
1
1静岡県立大学経営情報学部
pp.926-929
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100692
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公衆衛生に関わられる方々は,現在進む医療改革の政策的側面,すなわち医療制度改革についての関心が高いものと思う.言うまでもないが,医療制度改革推進の動機は,単なる医療提供内容の問題ではなく,むしろ医療保険財政の問題にある.そのため今年2006(平成18)年6月14日に可決・成立した医療制度改革関連法案というのは,医療法と健康保険法の両法律について一部を改正する法案である.
ちなみに,医療制度改革関連法案は,昨年2005(平成17)年11月30日に政府・与党が決定した「医療制度改革大綱」に基づくものである.紛らわしくはあるが,「医療制度構造改革」というのは,同年10月19日に厚生労働省が医療制度改革について広く国民の議論に供するためとして取りまとめた試案に付けられていた名称である.両者の発表時期が近いために混同されやすいが,前者は立法府で法制化する原案に相当するものであるのに対して,後者は行政府がシンクタンク機能の役割を担うことから制作発表したものであり,法律に直結するものではない.要するに,法律改正は政治が決めるということである.
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