ボランティア:住民に支えられて—諏訪中央病院・9
自然体で行う自己実現—介護のボランティア活動
田辺 庚
1
1諏訪中央病院
pp.812
発行日 2001年9月1日
Published Date 2001/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903373
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1995年の阪神・淡路大震災以来,わが国のボランティア活動への参加は多岐にわたり,関心度も高まってきたように感じます.ボランティア活動に関心や意欲を持ちながらも,具体的な行動に一歩踏み出すきっかけがつかめないままいる方が意外と多く,グループで声かけ合つて,ボランティア活動を始めることが多いように思います.意欲や時間があるとしても「はじめの一歩をどう踏み出すか」は決して容易なことではないと思います.そのような中で今回は,個人で活動しているAさんをご紹介します.
Aさんは信州に秋風が吹きはじめた9月16日,履歴書持参でボランティアを申し込みにおみえになりました.当院では申し込み者の意向をうかがい,受け入れの調整を行っておりますので,履歴書までは求めておりません.履歴書をお持ちになったことからも,律儀なお人柄が感じられました.定年退職後ということもあって社会的にも自立されており,予測されたとおり患者様はもとより,スタッフにとってもありがたい存在となっています.実習学生にも人生の先輩として暖かく見守って,気づかれないよう支援して下さることもありがたく思っています.
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