特集 病院の求める看護職像
21世紀に求められる看護職像
川島 みどり
1
1特定医療法人財団健和会臨床看護学研究所
pp.313-315
発行日 2001年4月1日
Published Date 2001/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903243
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医療にとって20世紀ほど変化のテンポが急速,かつ激しかった時代はないのではないだろうか.前半の50年は近代医学の導入があったとはいえ,日露戦役から太平洋戦争の終焉までを,戦争という極限状況の中で歩まざるを得なかった医療の姿がある.病院は,急性伝染病の隔離や,傷病兵士らの後方機能としての患者収容の場であったから,その運営も管理も現在とは全く異なっていたことは明らかであろう.
看護に目を転じれば,封建時代の名残をそのまままに,文字どおり医師の手足として始まった職業であったが,戦時救護の過程で男子とともに身を伍して働く勇壮さと,犠牲的献身を最大の美徳とする看護婦像が否応なくつくられたのではなかったろうか.
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