特集 在宅ケア新時代
21世紀の在宅ケアを求めて—老人の在宅ケアを中心に
辻 哲夫
1,2
Tetsuo TSUJI
1,2
1年金福祉事業団資金運用事業部
2前厚生省保険局国民健康保険課
pp.870-877
発行日 1992年10月1日
Published Date 1992/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900197
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なぜ今在宅ケアか
我が国においては世界に例を見ない高齢化が進んでおり,65歳以上人口の割合が現在12%程度であるが,平成12年(西暦2000年)には16.3%に,平成32年(西暦2020年)には23.6%に達すると見込まれている.高齢化に伴い様々な問題への対応が必要であるが,特に大きな課題が,後期高齢期におけるケアの問題である.
慢性疾患中心の疾病構造の下で国民誰もがねたきりになったり痴呆になる可能性を持つに至っているが,その場合の対応のシステムが社会的にまだ確立されているとはいえない状況にある.データは少し古いが,昭和61年現在で我が国のねたきり等要介護老人は約60万人である.うち25万人が病院に長期入院し,12万人が特別養護老人ホームに入所,残りの23万人が在宅である.
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