連載 「ケア」の関係性が変わる・1
ケアのマーケティングを考える その1
島津 望
1
1国際医療福祉大学
pp.55-59
発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903177
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連載にあたって
様々な問題を抱えながらも,介護保険がスタートして半年余りが過ぎた.これについては賛否両論あると思うが,今後の医療福祉機関の運営は,この枠組を視野に入れざるを得ない,という点については意見が一致するところであろう.この連載では,介護保険制度を前提とした場合に,医療福祉の関係者が直面するであろう問題の予測と,その問題解決を図るための提案を試みる.
連載第1回では,医療福祉の提供者(以下,提供者という)と利用者との関係,あるいは提供者と地域との関係がどのように変わっていくのかについて考える.その際,提供者と利用者の関係および提供者と地域との関係をマーケティングの視点からとらえる,第2回は、この関係が変わることによって,われわれがどのような問題に突き当たるのかを,個別テーマをあげて考える.3回目から5回目までは,福祉の側からみた場合に,医療とのかかわりのなかで福祉における関係性が,どのように変化するのかを,事例を交えながら考えてみる.最終回は,これらの作業を通して,医療福祉を超えた社会全体の視点から「ケア」という概念の問い直しを試みる.こうしてみると一見ばらばらであるように思われるかもしれないが,この連載を貫く視線は,医療福祉における提供者と利用者および地域との新しい関係を探ることである.
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