特集 検証 平成12年診療報酬改定
診療報酬改定と一般病院・患者
二木 立
1
1日本福祉大学社会福祉学部
pp.757-760
発行日 2000年9月1日
Published Date 2000/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903081
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はじめに—「歴史に残る改定」?
「歴史に残る改定」,「抜本改革といえる」.厚生省の担当者は,今回の診療報酬改定をこう自讃している.筆者も,今回の改定は,病院医療に関しては,過去数回の改定に比べると大幅な改定だと考える.これにより,21世紀初頭の病院再編成の方向(急性期病院と慢性期病院への機能分化)はより鮮明になり,個々の病院の選択肢はより明確になった.
しかし冷静に考えれば,今回の改定は,厚生省が1987年の国民医療総合対策本部中間報告で,「病院の体系」を「慢性病院」と「一般病院」とに区分する方向を初めて提起して以来,一貫して進めてきた政策の延長線上の部分改革にすぎない.
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