特集 検証 平成12年診療報酬改定
平成12年老人診療報酬改定について
関 英一
1
,
西山 正徳
1
1厚生省老人保健福祉局老人保健課
pp.753-756
発行日 2000年9月1日
Published Date 2000/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903080
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
国民医療費が増大し,その3分の1以上を老人医療費が占めるに至り,老人医療への取り組みは,従来にも増して重要な政策課題となっている.高齢者の心身の特性を踏まえたよりよい老人医療を目指すとともに,その効率化・適正化を図っていくことが必要であり,そのためには,高齢者医療制度の見直し,医療提供体制に関する見直しとも相まって,老人診療報酬における取り組みが重要である.また,平成12年4月からの介護保険制度の施行に伴い,今後の診療報酬の検討に際しては,医療保険制度および介護保険制度の双方を視野に入れた検討が必要となる.
平成12年診療報酬改定は,こうした状況のもとで,中央社会保険医療協議会から平成12年12月に示された診療報酬体系のあり方に関する中間報告の主要課題に沿って行われた.このうち老人診療報酬改定については,社会保険診療報酬改定において基本診療料をはじめとする体系的な見直しが行われたことに呼応して,特に,出来高払いと包括払いの最善の組み合わせを実現するとともに,医療機関の機能分担と連携を促進する観点から,老人医療費の合理化・適正化を推進しつつ,老人の心身の特性にふさわしい良質な医療の効率的な提供を行うという考え方を基本として行われた.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.