病院管理フォーラム リスクマネジメントの実践・10
八尾病院のリスクマネジメントの取り組み(5)—医療の質の監査機構活動
森 功
1
1医療法人医真会
pp.424-425
発行日 2000年5月1日
Published Date 2000/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902999
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リスクマネジメントの歪み
1952年JCAHO (医療施設評価合同委員会)を設置した米国はその後半世紀にわたって「医療・福祉の品質保証」に取り組んできた.しかし,1970年代後半から始まったマルプラティスクライシス(医事紛争の嵐)は,経済的効果を強調するという歪んだ形での「リスクマネジメント」を進めることとなった.すなわち,リスクマネジメントはコストを削減するための科学であるという定義に基づいて行われてきたのである.結果として,背後要因の分析や対応策の検討などのコストを削減しようとするインセンティブには直接結びつかなかった.
病院および医療機関,保険会社のコスト削減という面での努力はあっても,それは例えば,コストのかかるような患者の受診の抑制に働いたり,在院日数を短縮させるように医師に圧力をかけることとなった.
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