特集 病院・医療・社会—21世紀を展望する
21世紀の病院と医療—ビジョンと改革の方向
倫理問題への対応
清水 哲郎
1
1東北大学文学部哲学講座
pp.38-40
発行日 2000年1月1日
Published Date 2000/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902898
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21世紀の病院と医療をめぐって倫理問題についての展望と医療者のあるべき対応を示せということであるが,筆者にはそれに対応する力はない.筆者にできることはせいぜい21世紀の入り口に立って,現在の状況を見て,これからどちらの方向に進むべきかについて私見を述べるくらいである.
確かに医療技術は,各分野にわたって今後さらに筆者の現在の想像力をはるかに超えた進展をみせるであろう—遺伝子技術,クローン技術,生殖補助医療,出生前診断,臓器移植ないし人工臓器等々.ここでは遺伝子技術について,それが現実の医療に,したがって一般の生活者に及ぼす影響についていくつか拾い上げてみたうえで,結局問題の基本は臨床倫理的場面のものとなることを示す.
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