特集 病院・医療・社会—21世紀を展望する
21世紀の病院と医療—ビジョンと改革の方向
医療保険と医療経済—医療・介護がリーディング産業になるための条件
松山 幸弘
1
1(株)富士通総研経済研究所
pp.34-37
発行日 2000年1月1日
Published Date 2000/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902897
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医療・介護は高齢社会最大の政治問題
本稿を執筆している1999年11月になっても,2000年に予定されている年金改革,医療改革,介護保険導入のコンセンサス作りが迷走を続けている.臨時国会で一応の合意が成立したとしても,社会保障制度全体に対する国民の信頼を取り戻すためには多くの課題が残されるように思われる.
改革に対するコンセンサスが得られない最大の原因は,バブル崩壊以降10年以上続いている経済の低迷にある.低成長,高失業率の下では各制度の追加財源確保が難しく,負担増を伴う改革は受け入れられないからである.これは,経済が順調で財政黒字の成果を医療給付拡大に当てることを検討している米国と好対照である.
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