特集 医師養成と大学病院像
21世紀の大学病院に望むもの
今中 孝信
1
1天理よろづ相談所病院総合診療部
pp.1127-1130
発行日 1999年12月1日
Published Date 1999/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902872
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
本年4月,東京で開催された第25回日本医学会総会のテーマは,「社会とともに歩む医学」であった.「医療における教育と福祉のセッション」で,シンポジウム「臨床研修の在り方」が組まれ,筆者は吉田修京大名誉教授と共同で司会をさせていただいた.
従来,大学の卒前医学教育は優れた研究者を育てることを最優先してきたが,近年,高齢化社会の到来,患者の権利意識の高まり,医療費の高騰など,医療をめぐる諸問題が山積しており,よき臨床医を養成することを社会から強く要請されている.1991年の大学設置基準の大綱化によって医学教育改革は法的に認められ,各大学において種々の試みがなされているが,国家試験に合格した研修医が研修を開始する時に,病歴や身体所見を的確に取り,イニシャルアセスメントとプランができないのが現状である.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.