特集 医師養成と大学病院像
医療機能評価における病院と医師の関係
今中 雄一
1
1鉄蕉会亀田総合病院医療システム研究部
pp.1122-1126
発行日 1999年12月1日
Published Date 1999/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902871
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本稿では,特集テーマ「医師養成と大学病院像」の根底にある「病院と医師との関係」について論じる.医療技術の進歩や複雑化,財政逼迫などの環境の下,医療の質と経済性との両方が,そしてそのバランスが厳しく求められるようになり(図1),今後その傾向は強まるであろう.経済性や財政状況のほうが目に見えやすくわかりやすいこともあり,医療のプロフェッショナルが主体的,かつ積極的に取り組まねば,医療提供体制が財政主導で行われてしまう恐れがある.
効率を保証し向上させるには,そのうえに臨床家個人の力のみならず,それを取り巻くシステムの影響力が大きくなってきている.すなわち,医療の質と経済性を高めるためには,自律性と責任をもったプロである医療者の専門的な能力を高めるとともに,医療を提供する場の質のマネジメントシステムを充実させることが一層重要になってきた(両者の関係を図2に示す).本論では,システムの評価・向上といった観点から,医療機能評価,「臨床統治」と臨床的オーディット,および国際標準・国際協調について述べる.
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