民間精神病院はいま—21世紀への展開・14
鶴見台病院—病院本体機能の専門化を目指して
山本 紘世
1
1医療法人哲世会鶴見台病院
pp.272-275
発行日 1999年3月1日
Published Date 1999/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902659
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次の法改正のために厚生省は1998年9月,「精神保健福祉法に関する専門委員会報告書」を公表した.その内容は広範囲で精神保健福祉法と医療法および医療保険制度にわたり,地域に密着した精神保健福祉施策の充実,精神障害者の社会復帰施策の推進,精神障害者の人権の確保の三つを基本的な方向としている.その中で今後の精神医療と病院経営に大きく関係するものは,精神病床のあり方,精神科救急事業と措置入院であろう.精神科特例を見直し,一般病床と同様に精神科においても精神障害者の病状に応じて病棟単位で急性期病床と慢性期病床を区分し,急性期病床は2次医療圏単位で必要病床数を検討すること,精神科救急事業の法定化のために救急指定病院制度をつくること,現行の措置入院指定病院の指定基準を見直すことなどである.
一方,私どもの鶴見台病院は1998年8月末に2年半にわたる増改築工事をやっと終えて,いま精神療養病棟(A)を中心にした医療体制に変わろうとしているところである.次の法改正がどのようになるのか不明ではあるが,私どもの取ってきた方向がよかったのか,修正するところはないのかをこの機会に考えてみたい.
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