特別寄稿 マネージドケアと米国医療の変容
1.マネージドケアの仕組みと興隆の背景
田村 誠
1,2
1東京大学大学院医学系研究科・健康社会学
2スタンフォード大学アジア太平洋研究センター医療政策比較研究プロジェクト
pp.908-912
発行日 1998年10月1日
Published Date 1998/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902521
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はじめに
1.マネージドケア(managed care)とは
いつ,どのような治療を行うかは,従来,「医師(主治医)」の裁量に大部分が委ねられてきた.そうした決定権の多くの部分が,「医師(主治医)」から「支払者(保険者)」に移り,医師(主治医)以外の人によって「医療が管理化」されたもの,それがマネージドケアである(注1).「医療が管理化」されることにより,医師が治療内容を決定するよりも,「効率的に質の保証された医療を包括的に提供できる」というのがマネージドケアの企図するところである(注2).一般に,HMO (health maintenance organization)と呼ばれる組織など(注3)により提供されている(注4).
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