特別寄稿 マネージドケアと米国医療の変容
2.マネージドケアの急成長に伴い噴き出した問題
田村 誠
1,2
1東京大学大学院医学系研究科・健康社会学
2スタンフォード大学アジア太平洋研究センター医療政比較研究プロジェクト
pp.996-1001
発行日 1998年11月1日
Published Date 1998/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902546
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前回は,マネージドケアの仕組みを紹介し,そのうえでマネージドケアに期待される効果,およびマネージドケアの急速な興隆の背景について論じた.今回と次回は,マネージドケアがどのような「インパクト」を米国の医療に与えているか,あるいは与えうるかについて論じる.
今回は,マネージドケアにより引き起こされた問題や反感,すなわち「マイナスのインパクト」を論じる.この数年,一般のマスメディアに頻繁に取り上げられてきたマネージドケアにかかわる「ホラーストーリー(恐怖物語)」や医療者側(医師)から問題とみなされる部分について紹介する.これにより,実際の医療現場で生じている問題を明らかにしたい.次回は,主に統計的手法を用いたマネージドケアの「医療費抑制効果」や「治療の質の評価」に関する実証研究の成果,すなわち「プラスのインパクト」を整理する.
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