主張
病院機能評価における改善支援事業
I
pp.865
発行日 1998年10月1日
Published Date 1998/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902506
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初年度の病院機能評価事業が終了し,その実績が公表されるとともに,今年度の事業計画も明らかにされた.当初,240病院の受審を見込んでいたところを,最終的には130余の病院が審査を終了したに留まった.初年度のことで,根拠のある目標数を設定することが難しかったとはいえ,受審を希望する病院が決して多くはなかったことの背景要因について,改めて検討しておく必要があろう.
当初から病院機能評価に取り組んできた先駆的病院が初年度に受審した病院の多くを占めたことは当然と思われるが,この事業に関心を持ちながらも,なお評価を受けるに至らない病院が少なくないことが確認されている.評価によって格付けされ,認定が受けられなければ病院にとってきわめて不都合であり,よほど自信がなければ受けられるものではないという感覚がなお残っているようにも見受けられる.これは,この事業が病院団体などの出資により,自らの改善支援のために実施されているという基本的な趣旨が理解されていないということであり,評価機構はその徹底のための広報に一層努めるべきである.
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