視点
保健医療技術評価へのレセプト情報の活用
岡本 悦司
1
1国立保健医療科学院技術評価部研究動向分析室
pp.886-887
発行日 2002年12月15日
Published Date 2002/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902866
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健康増進と予防を目的とする保健事業と,発症後の治療を目的とする医療保険とは連続したものであり,後者は前者のアウトカムという関係になる.つまり保健事業のあり方で医療保険は影響されるが,その逆はない.医療費の額や治療成績といった医療のパーフォーマンスは保健事業によって左右されるが,医療のパーフォーマンスがどんなによくなっても,それは保健事業の効果に影響しない.語順が保健医療であって医療保健でないのも,それなりに意味がある.
見方を変えると,医療従事者は保健事業の内容を知らなくても仕事はできるが,保健事業従事者は医療保険の内容を知らなければ事業を効果的に行うことはできないことになる.医療保険の給付内容が集約されるのがレセプトであり,保健事業従事者にとってのレセプトは,その成果が評価される一種の試験のようなものである.
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